Risk Management    J-Taniguchi 私たちの日本の現在と未来を考え一歩を踏み出そう。


by jony7h

昨年2018年春、脚本家の橋田寿賀子さんが「寝たきりになったり、重度の認知症になったりして、人に迷惑をかけてまで生きていきたくない」との思いで安楽死を希望していることが世間に注目されたので考えてみよう。

昔から、痛い苦しい思いをするよりも安楽死やポックリ死ねたらいい、ピンピンコロリと死ねたらと希望する人達が多くいます。

つまり、生きる権利があると同様に死ぬ権利も認めるべきという事。

海外ではオランダで20024月、「患者が意思を表明できる状態になくても、判断力が残っているうちに安楽死希望を記していた場合、医師は患者の希望をかなえられる」と法律で規定され、患者が認知症で判断力を失った場合でも、事前に安楽死の生前意思を残していれば、医師は安楽死を行なえることになったということです。他には、ベルギーやアメリカのオレゴン州なども条件付きで容認している。

日本でも安楽死においての実例「山内事件」として、「安楽死の6要件」を1962年に名古屋高裁が示している。

事件は、愛知県において脳溢血で1956年から3年間寝たきりの父親が発作に苦しみ、「早く死なせてくれ」と悶絶するのを見るに忍べず、24才の長男が農薬を飲ませて死亡させるというものでした。

1.病者が、現代医学の知識と技術からみて不治の病に冒され、しかもその死が目前に迫っていること。

2.病者の苦痛が甚だしく、何人も真にこれを見る忍びない程度のものなること。

3.もっぱら、病者の死苦の緩和の目的でなされたこと。

4.病者の意識が、なお明瞭であって意思を表明できる場合には本人の真摯な嘱託、または承諾のあること。

5.医師の手によることを本則し、これによりえない場合には 、医師によりえないと首肯するに足る特別な事情があること。

6.その方法が倫理的にも妥当なものとして認容しうるものなること。

裁判官は安楽死の要件を整理し、結果5と6を満たさないとして判決は懲役1年執行猶3年であった。

その後1991年には「東海大病院事件」として、神奈川県の東海大学病院で、多発性骨髄腫という末期がんで昏睡状態にある58才の患者に対し、家族の強い求めによって医師が塩化カリウムを注射させて安楽死させ、殺人罪で起訴されるという事件があった。

横浜地裁は、1962年の名古屋高裁「安楽死の6要件」を見直し、「医師による安楽死の4要件」を提示し、以下の4要件を満たせば、医師の行為を罪に問わないとした。

1.患者に耐えがたい激しい肉体的苦痛に苦しんでいること。

2.患者には死が避けられず、その死期が迫っていること。

3.患者の肉体的苦痛を除去・緩和するために方法を尽くし、他に代替手段がないこと。

4.生命の短縮を承諾する患者の明示の意思表示があること。

この「東海大病院事件」は、末期患者へ対応が欧米などに比べて大幅に遅れていた日本の医療と社会体制の不備を露呈した事件といえよう。

※裁判例の詳しい内容は、判例集等にて判決文をご参照下さい。

2010114日、朝日新聞が死生観についての世論調査を行なっているが、安楽死についての質問と回答は以下のようになっている。

質問:自分が治る見込みのない末期がんなどの病気になって苦痛に耐えられなくなった場合、投薬などで「安楽死」が選べるとしたら?

回答:選びたい(70) 選びたくない(22) その他(8)

質問:8%

「安楽死」は現在の日本では法律で認められていません。「安楽死」を法律で認めることに賛成ですか

回答:賛成(74) 反対(18) その他(8)

このように、日本人の7割以上が安楽死の合法化に賛成で、最期は安楽死で逝きたいと思っているようです。

これほど国民の多くが安楽死を求めている中で、法制化が進まないのは何故なのだろうか?

事前に患者本人から「安楽死の生前意思希望書」に自署して病院へ提出し、後日病院側がその書類を行政か裁判所に提出し、病院側が殺人罪に問われないようにすることを認めていくべきではないだろうか。

人の心と命という重い責任から逃げるべきではなく、正々堂々と「生きる権利と死ぬ権利の在り方」を法律により確保しておくべきと思います。

また、尊厳死や安楽死という死ぬ権利に関して、生命を考える国民の議論も必要だと考えます。


# by jony7h | 2019-02-08 07:30 | ジョニーの伝言コラム | Trackback | Comments(0)