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by jony7h

デイサービスの安全配慮リスク

デイサービスセンターの送迎車の自賠責保険や搭乗者傷害保険も交えた訴訟判例があります。
骨粗しょう症であった老人がデイサービスセンターの送迎車から降車した際に、着地に失敗し右大腿骨頸部を骨折し、後遺障害が残ったという福岡県での事例。

この事故は2016年(平成28)3月4日に最高裁で上告が棄却され判決が確定した事案で、判決では自賠責や搭乗者傷害保険の保険金請求は認められませんでした。
上記事故が車両の運行に起因するものとはいえないというのがその理由です。
自賠責保険、搭乗者傷害保険、人身傷害補償保険は、一部例外はありますが、いずれも運行起因性が支払いの要件となります。

上記のデイサービスでは当該老人が車両から降車する際は、普段では踏み台を置いて安全に着地するよう職員が介助していました。
事故があった日も職員が介助していたため着地の際に老人がつまづいて転倒などをすることはなかったのですが、踏み台を使用せずに降車させたという安全配慮が無く骨折に至ったということです。
結果、上記事故は車両の運行に起因するものとは言えず、介護事業者の介護提供過程における介護事故と判断されました。
こういった場合、デイサービスセンターとしては、介護事業者としての賠償責任保険を付保していることでリスクヘッジするべきでしょう。

一方の別事故では、2012年(平成24)7月10日の最高裁の判決では、タクシーに乗車していた人がタクシー降車後1~2歩歩いた後に転倒したことにおいて、タクシーのドアが閉じるまでの運行中での事故だったとして、転倒傷害を被った人に人身傷害補償保険の請求を認めています。

このように、超高齢社会の日本では今後発生の増加が予想されるような事故が考えられます。
運行起因性があるかどうかの判断は、その状況によっては最高裁でも判断が分かれる難しい案件ともなります。
時代は移り変わっていますので、現代社会の基準と訴訟関係の内容も変わってきているようです。
※裁判例の詳しい内容は、判例集等にて判決文をご参照ください。

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by jony7h | 2017-03-06 08:18 | リスクマネジメント | Trackback | Comments(0)