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Risk Management    J-Taniguchi 私たちの日本の現在と未来を考え一歩を踏み出そう。


by jony7h

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釜山旅行

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先日、お盆を少しずらして、友人達と釜山旅行に行ってきました。
人口約370万人という大都市だけど、出会う町の人は親切な人がたくさんいるように感じました。
儒教の国なので、自分より年配の人に対する礼儀など、今の日本人が忘れている大切なものをこの町を訪問して、思い出すことができました。カムサムニダ040.gif001.gif
今回の一番の目的は、日本では体験できない本物のピストルを射撃することでした。
私の友人に警察の人がいますので、一度体験してみたいと思っていました。
3種類の拳銃(マグナム・ニューナンブ・自動式)を使い、約85%の命中率でした066.gif
初めてにしては、まあいい感じだったかな。
とにかく、すごい迫力でした003.gif

by jony7h | 2010-08-31 20:05 | 旅・エッセー等 | Trackback | Comments(0)

おかしな人達の物語・1

五月雨の夜に

1.
その日は五月雨がしとしとと降る夜だった。
昨年は20世紀も終わりの年で、私の事務所の引越も神戸の新開地にその春移転した。
新開地という街は、終戦後は現在の三宮よりも人の往来が多かったという事を私がまだ幼い頃に親父から聞いた事がある。
この街も一昔前まではヤクザや浮浪者とか酔っぱらいが多くて怖い街と言われていたが、この新開地という普段着が似合う街が私には合っている。
不景気なご時世で私の表向きの仕事は探偵という事にしているが、実体は所謂フリーターというやつで色々な仕事をやりながら生活をしている自由人だ。
この街に引越してから本業や様々な雑用をこなしながら早いものでもう一年が過ぎた。
2001年6月15日の今日という日もあと数時間で終わろうとしていた。
久しぶりに飲みに行きたくなったので飲み屋を物色していたら、今しがた客を送り出した様子の少しひなびた感じの着物姿の女性と眼が合った。
見たところは美人だが、私には何か不幸を背負ったように感じさせた。
年の頃は30代なのか40代なのか…。
気持ちに少し引っかかったので、どんな店なのか聞くと看板に優友と書かれているスナックを案内された。
おとなしそうな初老のマスターがカウンターの中で一人グラスを磨いている。
客が一人もいない店の椅子に腰を下ろしてはみたものの、場末の店に来たような感じだ。
とりあえずマスターにこの店の事を聞く事にした。
ところが、マスターは店のことはセット料金も何もわからないと言う。
着物姿のママさんにセット料金は?と聞く始末。
この店のママは愛子という名前らしい。
「お客さんの気持ちで飲み代を払ってくれたらいいのよ…」と、軟らかい表現でカウンターの私の隣の席に座っている。
「…じゃあ、千円でいいわよ」ママが言う。
ボトルのキープなどで売上げを稼ぐはずなのに、ボトルも持ち込みしてもいいという。
歓楽街にある店でセット料金千円とかこういうやり方でやっていけるスナックはないはずだ。
これは、いったいどういうことなんだ…商売が成り立つのか?
さらに驚いたことにマスターと思っていた男の人は、この店のお客さんだということだ。
お客さんがカウンターの中に入って洗い物をしているし、ぼったくりの店のようでもないし、色々と理解不能な事が多すぎる。
とりあえず、ビールを飲みながらこの謎解きをすることにした。
私がマスターと思っていた男性は与那嶺という人で、奥さんと死別して今は独り身という事らしい。
何故カウンターの中に入って洗い物をしているのか聞いてみると、
「ええ、こういう事が好きなんです」ママの愛子の命令で仕方なくやらされているようだ。
「名前なんて言うの?」ママが話しかけてきた。
「潤二郎。ジョニーと呼んでくれ」私はクールに答えた。
ハードボイルドな探偵を気取りながら私はこれから起こるであろう様々な出来事を全く予想していなかった。

2.
「次は、ジョニーの番よ…」私に向かって相当量のアルコールが入った様子のママが言った。
かれこれ二時間ほど経とうとしているが、あれから客はまだ入ってこない。
実は、与那嶺さんと私でカウンターの中のマスター役を交代で水割りを作ったりしていた。
私もカウンターの中での作業を以外にも結構気に入ったりしているところだった。
ママはカウンターの椅子に腰を下ろして、酒を飲みながら指図をするばかりで全然動こうとはしない。
私がカウンターの中に入って間もなく、ようやく数人の客がバラバラと入ってきた。
その中にスタイルのいい女性を同伴のかなり酔っぱらっている男性がいた。
後でわかったことだが、この二人とママは友達で男性の方は窪田というヤクザも一目置く現役の鬼刑事だった。
てっきり女性と思っていた方はニューハーフとの事だ。
マコという名でニューハーフパブに勤めている。
「お兄さん、初めて見る顔だけど何してる人?彼女はいるの…?」
私の事をマコがしきりと気にする様子だった。
その様子に窪田が嫉妬して口喧嘩を始めた。
「マコ、おまえは俺の女やろが…。後でホテルに行くぞ。ええか…?わかったか?」
「ちょっと…ジョニーは今日初めて来たお客さんなのよ。窪ちゃんもマコもいいかげんにしなさいよ」愛子ママがピシャリと言った。
「俺はママの事も好きなんや。三人で3Pしようや…」
これでも刑事なのかとほとほと呆れてしまった。

おかしな人達の物語・2へ
by jony7h | 2010-08-18 01:30 | ミニ小説・おかしな人達 | Trackback | Comments(0)

おかしな人達の物語・2

失踪

3.
後日、ママの愛子から私の携帯に電話があり、話しがあるという事なので会ってみると、
「ジョニー、あんた探偵やってると言ってたよね。ちょっと相談があるんやけど…」
話を聞くところによると、愛子の旦那は元ヤクザで内縁関係だが、組が解散してからも当時からの凌ぎをヤミで調達して生活をしていた。
その旦那が家に帰って来ていないし、この数日の間まったく連絡が付かなくなって心配しているという。
「警察には届けたのか?」
「一応警察にも届けたけど、警察は何もしてくれないのよ…戸籍上の奥さんの治美さんには連絡しにくいし…」
「…わかった。じゃあ、少し話を聞かせてもらえるかな?」
内縁関係の旦那の名前は竜二、数年前に愛子がまだ他の飲み屋をヘルプで店を手伝っている頃に竜二と知り合った。
まだ現役で三十代のヤクザで侠気と羽振りの良さの竜二に愛子が惚れてしまった。
今の店をもたせてもらったのも竜二のおかげだ。
竜二は一年程前に組が解散してから自暴自棄になり、酒を飲む量が増えて治美に暴力を奮うようになり、妻の治美は出ていってしまったとの事だ。
それから、自分のところに転がり込んできたという次第で同棲が続いていた。
現在は以前の組にいた頃の人間とは縁を切っているし、今付き合っている他の友人の話も聞いた事がないらしい。
「他に何か話を聞いていなかったか?」
「最近、あの人は私には何も話そうとはしなかったし…」愛子は考えながら、
「これといった事ではないけど、あの人の故郷が北海道の苫小牧で親が漁師をやっているけどもういい歳で漁師を引退するというので近い内に顔を見に行こうかな、とは言ってた」
「調べてみるので、もう少し教えてほしい事があるけど……」私は、他の情報を愛子から聞き出す事にした。
「…ねえ、どう思う?」
「…どう思うって聞かれても。それより、元気出せよ」
愛子の寂しそうな横顔が年令よりも老けさせていた。
「でも、この前は面白かった。初めて会った人達やのに、以前からの知り合いのように冗談ばかり言ってたものな」
「でしょう~。うちの店に来る人は私が選んでいるのよ。変な人は入れないから」愛子は少女のように屈託がない表情をした。

実はあの後、店を閉店してから愛子と嶺さんと3人でマコのいるニューハーフの店・ブスタンクを覗きに行った。
窪ちゃんがマコの腰に手をまわしながら「今ええとこやったのに、また邪魔しに来たんか。しゃあない、まあ座りーな」と言うので、遠慮なくボックス席のマコの隣に座らせてもらった。
「あら、愛ちゃんいらっしゃ~い。嶺さんお久しぶり…と、こっちのお兄さんは…ジョニーさんね、私、市子です」この店のママ?らしい頭のてっぺんにお花を乗せて体は半分裸同然という滑稽な格好をしたおじさんが挨拶に来た。
「愛ちゃん、ちょっと聞いて~。もう窪ちゃんたら大変なのよ~マコに入れ込んじゃって…私じゃあ駄目なのかしらね?」市子ママは一人でしゃべりながらカウンターの方にまた戻っていった。
「ねえ~窪田さん、さっきの話の続き」マコが窪ちゃんの腕を掴みながら形の良さそうな胸をすり寄せた。
マコは札幌出身で二十代始めの時に付き合った男が酷いストーカーだった事もあり札幌を離れて各地を転々としながら神戸にやってきたという事だ。
窪田が半年ぐらい前にスナック優友でマコと知り会って、この店を世話したという事らしい。
「マコちゃんって、本当は女性じゃないのかな…?」と私が声を落としながら言うと、その場が一瞬固まった。
「何でそう思うの?」マコが私に訊ねた。
「俺もあまり詳しくないけど、この手の店の人ってすぐに男性の股間を触りにくる人が多いのに、マコちゃんからはそういう素振りが無いもんね。いや、触ってくれとは言ってないよ」
「それは触ってくれと言ってるのと一緒や。いや、それはあかん。俺が許さん」窪田が焦って話に入ってきた。
「そんなに触ってほしいのやったら、私がいつでも触ってあげるよ」愛子が触りにきたので
「いや、そうじゃなくて…」
「何でもいいから、触らせ…」トイレに行く事でその場を何とか逃亡した。
トイレから帰ってからは、皆からかなり飲まされてしまった。

おかしな人達の物語・3へ
by jony7h | 2010-08-18 01:00 | ミニ小説・おかしな人達 | Trackback | Comments(0)

おかしな人達の物語・3

優友

4.
その日、突然の地震を誰が予想しただろうか?
1995年1月17日早朝の阪神地域を天変地異のような地震が襲った。
経験したことのない事だったので、最初は誰もが自分の家の近所に爆弾が落ちたのか自分の家にダンプカーが突っ込んできたと思った人が多かったはずだ。
与那嶺は何とか自力で自宅から脱出できたが、倒壊した家の下敷きになった妻の状態を確認できなかったのが非情に残念で悔しかった…。
これに近い似たような出来事を阪神地域で生活をしている百万近い人達が経験した。
あと数年で定年を迎えようとしていた矢先の事で神をも憎みたくなるような出来事だった。
与那嶺はこれからの自分の人生に希望を失ってしまっていた。
本来なら今まで支えてくれた妻のために自分の老後の人生を全て捧げるつもりだった…。
その後、暫く日も経って神戸の街もなんとか復興して同じく生存していた友人達と色々と心の傷を舐めあいながらも連れて行かれた店の一つに愛子ママの優友があった。
愛子が自分とは全く違って自由奔放に生きているかのように見えた事がすごく新鮮に思えた。
今まで出会った事のないタイプの人間に興味を覚えて、それから店の常連になっていた。

久しぶりに与那嶺は旧友の古川達から会わないかという連絡で、居酒屋で食事をする事にした。
古川と秋本と川田という以前からの気のおけない友人達だ。
みんな定年退職をした人もいるし、それぞれ一旦は現役を引退している。
「ところで、嶺さんはこのまま一人でいるつもりなのか?」古川が冷やかしながら言った。
「もう、一人にも慣れたし、気楽でいいよ。それより、夫婦仲はどうなんだ?」与那嶺は秋本に話をあずけてみた。
「俺の家の事は、ほっといてくれ」秋本が悲痛な声で唸った。
「いや、すまなかった」以前、夫婦仲が良くないという事を聞いていたのだが…。
ニュースでも最近熟年離婚が増えてきているのをよく耳にする。
その場の空気を変える意味で、みんなを誘って優友に行くことにした。

入口のドアを開けると、マコともう一人見た事のない女性がいた。
「先日はどうも…」マコが会釈してきた。
「えらい、ベッピンさんがおるぞ~」川田が、すぐに食い付いた。
「そうそう、紹介しとくね。この人はマコと同じマンションに住んでいるユリちゃん」愛子が紹介した。
「初めまして、ユリです」かなりの美人で、マコとは違うタイプで聡明な感じだ。
「ユリの事どう思う?」愛子が与那嶺に聞いてきた。
「どう思うって…?…まさか?」与那嶺には質問の意味が全然わからなかった。
「どう思うかって聞いたのよ。その、まさかって何なのよ~」
「おお~、嶺さんのお見合い相手か?」古川が冗談を言った。
「もう~、嶺さんとでは歳が違いすぎるでしょう。ユリをジョニーに紹介してみようと思って聞いてみたのよ」
「あいつには、勿体無い。私ではどうですか?」与那嶺が冗談とも真面目とも受け取れるような感じでユリに聞いた。
「…え~、…まずは、友達からという事でいいですか?」ユリが笑いを堪えながら対応した。
「勿論、結構です」与那嶺は即答した。

それから、アルコールも入り色々な話でみんなが盛り上がってきたおり
「マコ、この人達にあの事情を話してもいいかな…?」愛子がマコに聞いた。
「…いいけど…、ママに任せる」マコは仕方ないように応えた。
「実は、今まで他の人達にはできるだけ誤魔化してきたけど…事情があってマコをニューハーフという事にしているのよ。化粧もニューハーフに見えるようにそれらしい化粧の仕方で顔を変えて声の出し方も少し変えているし…」
「……」みんな、信じられないという顔をしていた。
「マコの事は、ここだけの話にしておいてね」
「でも、どうして女性のマコちゃんをわざわざニューハーフにしてるのかな?」
「マコの出身は札幌で二十代始めの頃に付き合った男が酷いストーカーだったという事は前の時に話した事があるけど、嶺さん覚えてる…?マコが以前その男を三宮で見かけたらしいのよ…。最初は竜二がマコと他の店で知り合ってこの店に連れてきて、私にマコの世話をさせようとしていたけど、私も一人で店をやるのが精一杯で人を雇う余裕もないから、窪ちゃんに相談したら取りあえず市子ママのところで世話をしてもらうという事になったという訳なの。それにあの店はその手の下品な楽しみ方が好きな人ばかりが来る店だから客層としても安心だからね」愛子が一人で喋ってくれるのを黙って聞いていた。
「…で、肝心のそのストーカーは?」与那嶺がマコに訊ねた。
「名前は平野。男の人と話をしているだけで私に暴力を振るうし…その相手の人にも言いがかりをつけて喧嘩を仕掛けたり、とにかく、本当に怖い人だった…」マコの身体が震えていた。

おかしな人達の物語・4へ
by jony7h | 2010-08-18 00:30 | ミニ小説・おかしな人達 | Trackback | Comments(0)

おかしな人達の物語・4

北海道そして神戸

5.
その頃、私は北海道の土地を踏んでいた。
竜二の足跡を捜すために北海道までやってきたのには、札幌でしかわからない事があった。
早速、私は札幌図書館で数年前の新聞を調べていたが、これが結構時間のかかる作業だった。
ようやく、死亡事故で亡くなった平野真という名を発見した。
当時の報道では、運転操作ミスによる崖下への車両落下単独事故という事だったらしい。
事件性にはあまり注目されず、地方新聞とテレビでほんの少し取り上げられただけのものだった。
やはり、平野は亡くなっていた。
この事をマコが知らなかったのか…?
私は、札幌図書館を後にして、苫小牧の竜二の親にも会いに行く事にした。

6.
窪田には真剣に将来を考えていた女性がいたが、彼女を交通事故で亡くした過去があった。
彼女の事を忘れようと思って色々な女性と付き合ったが、結局全て別れることになった。
気持ちとは裏腹にかなり無責任で嫌がる事も女性達に与えてきた。
そろそろ四十才を迎えるようなこんなろくでなしの自分が、刑事をしながら何故まだ生きているのか…と、今でも時々思っている。
ある日、腐れ縁でもある竜二から飲みに誘われスナック優友を知った。
まだ店を開いて間もない頃で、竜二には色々と目をかけてきた事でお礼の一つのつもりだったらしい。
最初女を紹介してくれるのかと期待していたが自分の思い過ごしだったらしく、ママの愛子が竜二の女だと理解してから窪田はスナック優友をその後も時々利用する事にした。
竜二からマコという女を半年程前に紹介された時は、懲りずにこの女もすぐにものにするつもりだったが時期を逃してしまって未だに関係ができていない。
「俺とした事が…、俺ももう年なのか?」独り言をつぶやいていると、警部の山岡から事件発生を聞き部下の相原を連れて現場に向かうことにした。
現場に向かう途中、男性の遺体が発見された事を聞いて窪田は厭な感じがした。
神戸港の釣り人が人間らしき物体を見つけて警察に連絡してきたという事だ。
窪田は遺体に見た事のある入れ墨を発見した。
「竜二……」窪田は必死に自分の気持ちをこらえた。

検死官が立ち会って遺体の死亡原因を自殺・事故・殺人で調べた。
死亡推定日は、遺体の状況から見て数日以内だろうという事だ。
アルコールと睡眠薬を服用した痕跡が胃の中に少し残っていた。
衣服の中に財布等はあったが、携帯電話は見あたらなかった。
岸壁から足を滑らせて海の中に落ちた際に受けたと思われる頭部の損傷もあった。
当初、事件性も考えて警察は同居していた内縁関係の愛子と戸籍上は妻の治美からも話を聞いて竜二がいなくなった時の状況やらそれぞれのアリバイを改めて確認した事ぐらいで、その時点ではそれ以上追求しなかったようだ。
警察では事故で溺死したという考えらしいが、竜二の最後の足取りを確認する事ができていないし、一応は継続捜査の対象になった。
警察は色々集めてきた情報から一応事故死という見解を出したと思うが、多くの疑問があった。
竜二が行方不明になって溺死したとされる空白の時間は?
竜二は何処にいたのか?
竜二は睡眠薬と酒を飲んで何故外出していたのか?

7.
愛子が言う竜二がいなくなり連絡がとれなくなったのが6月13日頃。
愛子からの捜索願いが提出されたのが6月15日。
竜二の死亡推定日が6月16日頃。
竜二の遺体発見日が6月19日。
「これだけで判断すると、やっぱり愛子を参考人として任意出頭させて詳しく取り調べたほうがいいかもな…?」警部の山岡は継続捜査の担当を任されていた。
「相原…。その後、何か出てきたか?」山岡が地取り捜査をしていた相原に聞いた。
「妻の治美は10才になる子供を連れて北区にある実家の方に身を寄せていたという事で、竜二とは子供の事や生活費などの事で時々会っていたのですが、愛人である愛子から竜二の行方がわからなくなった6月13日頃には会っていなかったという事です」
「馬鹿野郎。そんな事を聞いているんじゃない。普段から睡眠薬を飲むような習慣のない竜二がどうして飲んでいたのか…睡眠薬の出所が何処だったのか、その辺から当たっていけと言っただろう。それより、窪田は何処に行ってるんだ?」山岡は昔ながらの叩き上げの足を使って行う捜査方法を部下にはいつも教えていた。
「妻の治美には確かに睡眠薬を医者から処方されておりますが、睡眠薬は町の薬局でも販売してますし出所や睡眠薬の種類を特定するのは難しいと思いますが…」
「いつ、君の判断を聞きたいと言った?捜査の事実だけを持ってくればいいんだ」
「すみません。窪田さんは竜二の捜索願いが出される前後の足取りをもう一度洗い直しているようです」相原は窪田が竜二と顔見知りだったようだという事は誰にも言うつもりはなかった。できれば、窪田の気の済むまでやらせてあげたいと思った。

8.
窪田は竜二が以前所属していた組にいた頃の人間達に聞き込みをしていた。
誰もがそれなりの堅気になろうとしていたし、もう昔の頃の事には関わりたくないとしていたので竜二とも全然会っていないし見かけた事もないというばかりだった。
「八方塞がりというやつだな…肝心の愛子が竜二の普段からの行動に関して無関心だった事がそもそもの問題だ…」窪田は愛子の話しを聞きに行く事にした。

愛子には昔別れた旦那との間にできた子供を故郷の登別に残してきた過去がある。
自分自身の考えが幼かったし子供の世話をみきれないので、両親に無理を言って家を飛び出し神戸までやってきた。
子供の頃から自由闊達な性格で、自分で決めた事は一生懸命やるが人から指図される事が嫌いな性格は昔から全然変わっていない。
ただ、人には見せない寂しさや弱さ孤独感はあった。
竜二と出会い惹かれたきっかけも同じ北海道出身という親近感もあったが、竜二にも自分と近い同じ臭いを感じたからだった。
あまり物事を深く考えない性格は、良くも悪くも持って生まれた性格だと自分で納得させている。
登別に残している家族や子供の事がいつも気がかりだが、神戸にやってきて自分を守ってくれるやさしい人達が自分の周りに多くいる事にはいつも心の中では感謝している。
商売が下手なりにお客さんから逆に色々とやりかたを教えてもらって、なんとかやりくりできているのもお店を支えてくれるお客さん達があっての事…自分も遅まきながら少しは大人になれたかな?と、最近では考えられるようになった。
竜二が自分のところに転がり込んできて一緒に生活をするようになってからは、口喧嘩もするようになり竜二に対してだんだん冷たい態度をとるようになってしまった。
その竜二が気が付くと突然いなくなってしまい、あんなかたちで発見されるなんて…。
普段から心の中ではわかっているつもりの人への思いやりを忘れていたのだろうか…と、愛子は一人さめざめと後悔しながら自宅の中で考えていると誰か来たようで、玄関のドアを開けると窪田が立っていた。

「ちょっと、いいかな…?」窪田は人の話しが気にならないような店に愛子を連れていった。
「実は、こんな時に思い出させるのは申し訳ないけど…話しというのは竜二の事でなんや。今のままやと竜二と最後に接触した人物はママという事になる…と、いう事はどういう事かわかるか?警察から改めて任意出頭で取り調べを受ける可能性があるという事なんや。
どんな事でもいいから、竜二が失踪する頃の事を全部思い出してくれ」
「竜二は事故で亡くなったんではないの?」愛子は窪田の真剣な目を見ながら、自分が疑われている事に初めて気が付いた。
「窪ちゃん、私の性格わかってるでしょ?竜二がいなくなった頃の事はあまり覚えてないって…。あの人が北海道の苫小牧の親に会いに行きたいと言ってた事ぐらいしか記憶にないのよ。この事はジョニーにも相談したから呼んでみようか?」窪田が電話を止めようとしているのも気にせず、愛子は私を電話で呼び出し二人のいる店に私は出かける事になった。
私は北海道で調べてきた情報から竜二が失踪した全体像にまだ確信がもてなかったので、愛子には調査してわかった事だけしか報告しなかった。
神戸に帰ってきてから、竜二の死亡を愛子から聞かされていた。

ようやく二人から話しの中身を聞き、私も頭の中を整理してみる事にした。
「ところで、継続捜査にもなっているし、窪ちゃんに警察の特権を使ってお願いしたい事があるんやけど。竜二が失踪したらしい6月13日から19日の竜二の携帯通信記録はどうなっているのかな?電話会社で調べる事ができないのかな?」私が窪田に尋ねると、もう調べているという事だった。
窪田が署に帰った時、相原から連絡があった。
「窪田さん。竜二の携帯電話の通信記録がわかりました」竜二のその後の足跡がわかりつつあった。
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by jony7h | 2010-08-18 00:20 | ミニ小説・おかしな人達 | Trackback | Comments(0)

おかしな人達の物語・5

神戸港

9.
竜二はマコと数ヶ月前から男と女の関係になっていた。
色々と過去にあった思い出話なんかをマコと話しをしていて、マコが時々おかしな事を言うのに気がついていた。
「この女、普通じゃないな…」と竜二は心の中で思った。
昔から世話になっている窪田がマコに最近入れ込んでいたが、成り行きでマコと関係ができてからこの女の本性が色々と見えてきた…。
時々、誰も居るはずがない6階のマンションの窓ガラスの外側に人がいるらしく、「あの人がこっちを見ている…」とか言って脅えている事もあった。
竜二が夜中に目を覚ました時にマコがベッドから起き上がっていて、一人ブツブツと小声で独り言をつぶやいていた時には冷や汗がでた。
耳をそばだてて聞いていると、誰かが悪いとかいうような事を言っていたように思った。

竜二が感じたおかしな事をマコに色々と問いただすと、急にマコはワッと泣き崩れた。
「ご免なさい。今でもあの人が幽霊のように私の前に現れるの…」
竜二はマコを顔見知りのいない神戸港の夜景のきれいなバーへ連れて行き、酒を飲みながらマコの気の収まるまで待つ事にした。
竜二はマコがほとんど無言だった事も手伝ってアルコールがすすんだ。
マコは何を思ったか、竜二がトイレに行った時を見計らって竜二のグラスの中に睡眠薬を入れた。
バーを出てからマコは神戸の夜景が見たいと言って、誰もいない港の岸壁からフラフラになった竜二を突き落とし、その場から逃走した。
何故あんな事をしたのか、現在マコは警察で事情聴取を受けている。

10.
事件は、一気に解決へと向かうことになった。
マコは竜二と平野の事故にも関係した事を自供したようだ。
窪田の気持ちの落ち込みは可哀相なぐらいで、回復には少し時間が必要だろう。
それからは、私たちの目に映る周りの世界も心の中も、少し変わってしまったのかもしれない。
雨の中、愛子は竜二が発見された港の岸壁に竜二が好きだった紫陽花の花を供えていた。
その姿は、もの悲しく静かな五月雨のようでもあった…。


この物語を私の愛すべきすばらしい友人達に捧げます。日向 潤二郎(Pネーム)

主な登場人物
水澤 愛子…スナック優友のママ。
三好 竜二…愛子の愛人。
治美…竜二の妻。
与那嶺 敏雄…優友のママ愛子のファン。
窪田 孝男…部長刑事。
相原…窪田の部下。
山岡…窪田の上司で警部。
市子…ブスタンクのママ。
マコ(土橋 麻子)…札幌出身。
ユリ(石原 百合)…沖縄出身・マコの知人。 
平野 真…マコの元彼氏。
ジョニー(潤二郎)…探偵、物語の語り部

by jony7h | 2010-08-18 00:00 | ミニ小説・おかしな人達 | Trackback | Comments(0)

諦めるな・・・

日本の社会がどうすれば良くなるのだろうか・・・?
私が発信している考え方に共感してくれる人もいるし、私の考えに反対する人もいます。
一つの考えに賛成と反対があって、正常な意見交換ができるのですから・・・、それでいいんです。
そして、そこから新しいアイデアも発見できます。

一庶民であろうが一人の人間の存在が世の中を変えていける不思議な意志の力を持っていると、私は思っています。
昔から不思議な事に、全く違う地域で同じ様な事が流行ったりするという事を聞いたことがないだろうか?
例えば、北海道と九州で同じ時期に同じ流行りものがあったりとか・・・。
インターネットもない時代にそういった現象があったのは、いわゆる口コミの何ものでも無い。

反対に、一人の人間がいくらどうあがこうと世の中は変わらないという考え方の人達がいるという事も現実でしょう・・・。
これからも、何故何処が不具合なのだろう?と考えて、問題点を発信していく社会人の一人でありたいと私は思っています。

あなたに問います。
あなたは、本当に今のままでいいのですか?諦めてはいませんか?
日本の事、あなたを取り巻く社会の事、それって他人事でいいんですか?
それは、自分の事しか考えていないという事にもなるのではないですか?
廻りまわって他人まかせにしているあなたにそのツケは必ず廻ってきます。

それがいやなら、できる範囲の行動をするべきでしょう。
それは、けっしてむつかしい事ではありません。
あなたの身の回りの事を良くする為の考え方を、身近な友人に伝えるという事だけなのですから・・・。

by jony7h | 2010-08-05 23:07 | ジョニーの伝言コラム | Trackback | Comments(0)